この記事では関数マニア必見の「ヘンテコ関数雑記帳 ー解析学へ誘う隠れた名優たちー」という本を紹介します。
本のタイトルからして解析学の本だという事はすぐに分かります。
しかし、どのような意味で「ヘンテコ」という単語が使われているか分かりにくいですよね。
この本の何が魅力的な部分なのかといったことも分かると思います。 ※PRを含みます
どこら辺がヘンテコ?
「ヘンテコ関数雑記帳」に登場するヘンテコな性質は以下のようなものです。
- 全ての点で連続かつ全ての点で微分不可能な関数
- グラフの見た目
- 定義からグラフを想像しにくい
全ての点で連続かつ全ての点で微分不可能な関数
「全ての点で連続かつ全ての点で微分不可能な関数」というのは想像できるでしょうか。
ある一点において連続であるが微分不可能という関数はわかるかもしれません。
数3を履修している高校生なら \(y=|x|\) などが見覚えがあると思います。
学校ではこのような一部分だけで微分不可能な関数は扱っていますが、全点については分からないと思います。
この本ではこの性質を満たす関数として「高木の関数」が紹介されています。
この関数でも絶対値記号が使われていて、なおかつ面白いフラクタルが出現します。
どれだけ拡大しても同じような山が永遠と出てきます。
グラフの見た目
次はグラフの見た目についてです。
媒介変数表示を用いたリサージュ曲線は知っているでしょうか。
\((sin{at},sin{bt})\) の形で書かれることが多いですが、実はリサージュ曲線は拡張できます。
リサージュ曲線を拡張するとより複雑で新たな面白い図形を生み出すことができます。
その例として本書では「虫」に例えられるようなグラフも登場します。
リサージュ曲線以外には連続でもないような汚いグラフも登場しますが、それはそれで面白いです。
定義からグラフを想像しにくい
条件として方程式のような単純な \(x,y\) の式ではなく、条件式によって式が分岐されて定義される関数グラフも登場します。
正直それらを書いたところで特に見た目が面白いとは限りません。(もちろん面白いものもあります。)
しかし、その変なグラフも実は面白い性質を持っていたり、実はそんなに変でなかったりします。
このような話は抽象的になりますが、解析学の道具を駆使することで面白くなる話でもあります。
読めるレベルは?
「ヘンテコ関数雑記帳」では、
- 基本的な微分演算
- フーリエ展開
- 複素関数
- ルベーグ積分
などについても触れています。
高校生以下の方にとってこれらの分野は発展的な内容が多く見えるかもしれません。
ですが、必要な部分は最後の章である程度解説されているので安心してください。
いろいろ端折ったりしている部分もありますが、さらっとでも解析学の勉強になります。
ちなみに章末問題については、まず難しいですし、解答が書かれていないです。
そのため、よっぽど興味のある方以外は章末問題はスルーでも大丈夫だと思います。
関数アーティストも必見
この本は普段関数アートに関わる方も良い刺激を受けると思います。
変態的過ぎて扱うことが難しいとは思いますが、参考になる点も多くあります。
特に媒介変数表示についてはリサージュ曲線を拡張できるという事は知らない人も多いと思います。
ベジェ曲線は登場しませんが、滑らかさについての詳細な記述もあります。
最初に登場する「高木の関数」はフラクタル模様が好きな方には特にハマると思います。
desmosで描写してみると
「ヘンテコ関数雑記帳」に登場する関数たちの一部をdesmosで描写してみたものを載せておきます。
ぜひ参考にしてみて下さい。
高木の関数 → https://www.desmos.com/calculator/szvczswfu5
リサージュ曲線(N=2) (ランダムに値を変えることでいろいろな図形を楽しめます。)→ https://www.desmos.com/calculator/dbkuj1vg16
以下の画像はリサージュ曲線を利用したものです。


まとめ
この記事では「ヘンテコ関数雑記帳 ー解析学へ誘う隠れた名優たちー」という本を紹介しました。
読み始めは何が「ヘンテコ」なのかすら分からないかもしれませんが、読み進めていくうちに学校で扱う関数がどれだけ普通なのかがよく分かると思います。
マニアックではあるものの、この本で普段はお目にかかれない刺激的な関数に出会えるでしょう。

